実技に臨むにあたり、一番大切なのは過度に緊張しないことです。受講生は皆初心者です。失敗するのは当然ですし、恥ずかしいことではありません。ですが真面目な人ほど赤面したり、焦ったりして、パニックに陥りながら受講します。慌てながら運転すれば身につくスピードも減速します。指導員の教示もボランティアではありませんから、彼らに必要以上に気を遣い、失敗に付き合わせてしまったと萎縮するのも考えものです。それよりも冷静に彼らのアドバイスを受け入れ、次回の運転に生かそうとする心構えの方がはるかに大切です。

教習所で発生する失敗は多様で、縁石に乗り上げたり、方向転換や切り返しに窮したりするような純粋なテクニック上の失敗もあれば、一時停止を忘れたり、後方確認を怠ったりすることもあります。指導員は過去に多くの受講生を指導したプロですから、その都度的確にアドバイスしてくれます。アドバイス通り修正する、また失敗する、さらに修正する、と繰り返すことで、検定を受けるころには基本スキルが身に付くことでしょう。検定には仮免発行のための修了検定と、卒業検定とがあります。いずれの検定も最初から満点を狙う必要はありません。ミラーを介した後方確認や左折時の目視、巻き込み確認、歩行者保護等を仰々しくアピールすることは求められますが、実力を出し切った末の小さなミスは合否に影響しないことがほとんどです。何よりも重要なのは、命に関わるようなミスを起こさないことです。特に卒業試験は路上で行われるため、文字通り命が失われかねません。教習所によっては複数人の受講生を後部座席に同乗させた状態で、試験が実施されます。彼らの命も預かっているのだと認識しましょう。